「不均衡動学の理論-数学付録-第1章の数学付録-(a)最適価格政策」の導出にかかれている数式(A1-2)、この式は誤植であろう。下記に訂正する。
まず、数式(A1-2)の修正から。
(誤)$$1-A(\frac{1}{g}-1)-(η-1)g+\int_{-1}^{1/g-1} g (1+ξ) dA(ξ)=0$$
(正)$$1-A(\frac{1}{g}-1)-(η-1)g\int_{-1}^{1/g-1} (1+ξ) dA(ξ)=0$$
ここで変数gについて説明する。
\(g=\frac{p^{-η}{\hat E (a)}}{q} = \hat E( \frac{x}{q}) \)である。これから、
\( \frac{dg}{dp}= \frac {{-η}p^{-η-1} \hat E(a)} {q} \)
\( = \frac {{-η}p^{-η} \hat E(a)} { pq} \)
\( = \frac {-ηg} { p} \)が導かれる。
さて、(A1-2)は、
\(
p q \left[ \int_{-1}^{1/g-1} g (1+ξ) dA(ξ) +1 -A(1/g-1) \right]
\)
をpで微分して0とおいた式から導かれる。qは定数なので微分するまえに省いておく。
\(
\frac{d}{dp} \left( p \left( \int_{-1}^{1/g-1} g (1+ξ) dA(ξ) +1 -A(1/g-1) \right) \right)
\)
\(
= \left( \int_{-1}^{1/g-1} g (1+ξ) dA(ξ) +1 -A(1/g-1) \right) \\
\, + p \frac{d}{dp} \left( \int_{-1}^{1/g-1} g (1+ξ) dA(ξ) +1 -A(1/g-1) \right)
\)
\(
= \int_{-1}^{1/g-1} g (1+ξ) dA(ξ) +1 -A(1/g-1) \\
\, + p (\frac{dg}{dp} )\frac{d}{dg} \left( \int_{-1}^{1/g-1} g (1+ξ) dA(ξ) +1 -A(1/g-1) \right)
\)
\(
= \int_{-1}^{1/g-1} g (1+ξ) dA(ξ) +1 -A(1/g-1) \\
\, + p (\frac{-ηg}{p} ) \left( \frac{d}{dg} \left[ \int_{-1}^{1/g-1} g (1+ξ) dA(ξ) \right] – \frac{d}{dg} \left[ A(1/g-1) \right] \right)
\)
\(
= \int_{-1}^{1/g-1} g (1+ξ) dA(ξ) +1 -A(1/g-1) \\
\, -η g \left( \frac{d}{dg} [g \int_{-1}^{1/g-1} (1+ξ) dA(ξ) ] – \frac{d}{dg} \left[ A(1/g-1) \right] \right)
\)
\(
= \int_{-1}^{1/g-1} g (1+ξ) dA(ξ) +1 -A(1/g-1) \\
\, -η g \left(
[ \int_{-1}^{1/g-1} (1+ξ) dA(ξ) ] +g \frac{d}{dg} [ \int_{-1}^{1/g-1} (1+ξ) dA(ξ) ] \\
\,- \frac{d}{dg} \left[ A(1/g-1) \right] \right)
\)
\(
= \int_{-1}^{1/g-1} g (1+ξ) dA(ξ) +1 -A(1/g-1) \\
\, -η g \left(
[ \int_{-1}^{1/g-1} (1+ξ) dA(ξ) ] +g \frac{d}{dg} [ (1+1/g-1) A(1/g-1) ] \\
\,- \frac{d}{dg} \left[ A(1/g-1) \right] \right)
\)
\(
= g \int_{-1}^{1/g-1} (1+ξ) dA(ξ) +1 -A(1/g-1) \\
\, -η g \int_{-1}^{1/g-1} (1+ξ) dA(ξ)
\)
\(
= (1-η) g \int_{-1}^{1/g-1} (1+ξ) dA(ξ) +1 -A(1/g-1)
\)
\(
= 1 -A(1/g-1) – (η-1) g \int_{-1}^{1/g-1} (1+ξ) dA(ξ)
\)
これで、数式(A1-2)が得られた。
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