例2では2点の予想であったが、これを拡張して多点の予想値(離散分布)の場合を考える。
ここでも、説明なく使われる記号は、最適化価格の計算(例題1)|超シンプルな例で定義したものである。
例題3
\(-1 \lt ξ_1 \lt ξ_2\lt … \lt ξ_n\)に対して、
$$A(ξ) = \left\{
\begin{array}{ll}
0 & (ξ \lt ξ_1) \\
r_1 & (ξ_1 \le ξ \lt ξ_2) \\
r_1+r_2 & (ξ_2 \le ξ \lt ξ_3) \\
: \\
r_1+ … +r_{n-1} & (ξ_{n-1} \le ξ \lt ξ_n) \\
r_1+ … +r_{n-1}+r_n=1 & (ξ_n \le ξ)
\end{array}
\right.$$
例題1、2と同じく、このA(ξ)関数も微分できない点があるが、
$$ {dA(ξ)}= \left\{
\begin{array}{ll}
0 & (ξ \ne ξ_k ) \ k=1,…,n \\
r_k & (ξ = ξ_k ) \ k=1,…,n \\
\end{array}
\right.$$と考える。
\( \hat E(dA(ξ))=0\)なので、\( \displaystyle \sum_{k=1}^n r_k ξ_k =0 \)
\(1/g-1 \le ξ_1 \lt ξ_2\lt … \lt ξ_n\)の場合
例題2のときと同様に考えると
\( p \le \left( \frac {\hat a (ξ_1+1)}{q} \right) ^{1/η} \)の場合となるから
\( \hat E (\min \{ pq,px\} ) \\ = pq \ dA(ξ_1) +…+pq \ dA(ξ_n) \\=pq(r_1+…+r_n)=pq \)
この関数は単調増加であるから、最適価格は
\(p^*=\left(\frac {\hat a (ξ_1+1)}{q} \right) ^{1/η}\)
\( ξ_1 \lt 1/g-1 \le ξ_2\lt … \lt ξ_n\)の場合
\( \left( \frac {\hat a (ξ_1+1)}{q} \right) ^{1/η} \lt p \le \left( \frac {\hat a (ξ_2+1)}{q} \right) ^{1/η} \)の場合となるから
\( \hat E (\min \{ pq,px\} ) \\
= px \ dA(ξ_1) +pq \ dA(ξ_2)…+pq \ dA(ξ_n) \\
= p x r_1 + p q (r_2 + … + r_n )\\
= p x r_1 + p q (1 – r_1)
\)
\( ξ_1 \le ξ_2\lt … \lt ξ_n \lt 1/g-1 \)の場合
\( \left( \frac {\hat a (ξ_n+1)}{q} \right) ^{1/η} \lt p \)の場合となるから
\( \hat E (\min \{ pq,px\} ) \\
= px \ dA(ξ_1) +px \ dA(ξ_2)…+px \ dA(ξ_n) \\
= p x (r_1 + r_2 + … + r_n )\\
= p x
\)
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