最適賃金の計算(1)

最適賃金を計算する。最適賃金とは、

$$ \hat E (p_τ y_τ – wn) $$を最大にする\(w\)のことで、\(w^*\)で表す。

まず、労働供給の逼迫度の予想誤差をまったく考慮しない場合で考える。

労働供給関数の予想誤差Bはξ=0で1となる分布である。

最適労働需要(1) 最適労働需要(2)のところで計算したように、

$$ \hat E (p_τ y_τ – wn) \\
=\hat E (a_τ^{1/η} (jn^γ)^{1-1/η} – wn) $$

\( n= \min\{h, l \}\)、であるから、\( \hat E(n)= \min\{h, \hat E(l) \}\)、であって

\( \hat E \left\{ \hat E (p_τ y_τ – wn) \right\} \)
\( = \hat E (a_τ)^{1/η} \hat E (jn^γ)^{1-1/η} – \hat E (wn)  \)
\( = \hat E (a_τ)^{1/η} (j\hat E (n)^γ)^{1-1/η} – w\hat E (n)  \)
\( = \hat E (a_τ)^{1/η} (j \min\{h, \hat E(l) \}^γ)^{1-1/η} – w \min\{h, \hat E(l) \}  \)
\( = \hat E (a_τ)^{1/η} (j)^{1-1/η}( \min\{h, \hat E(l) \})^{γ(1-1/η)} – w \min\{h, \hat E(l) \}  \)

労働供給の逼迫度の予想誤差をまったく考慮しない場合のhは最適労働需要(1)より、

\[ h = \left\{ \left[ \frac{γ(η-1)}{η}\right]^η  j^{η-1}  w^{-η} \hat E (a_τ) \right\} ^{\frac{1}{η-γ(η-1)}} \]であった。

また\( \hat E(l)=w^ε/{\hat E (b)} \) 、ただし\(0 \le ε\)である。

\( \min\{h, \hat E(l) \} = h \)の場合と\( \min\{h, \hat E(l) \} = \hat E(l) \)の場合とにわけて、グラフを書き、最適賃金を求める。

\( \min\{h, \hat E(l) \} = \hat E(l) \)の場合、つまり\( h \gt \hat E(l) \)の範囲に最適賃金\( w^* \)が存在する。

 

コメント

テキストの数学付録では定数jを無視して計算しているが、脱字でないかと思われる。

コメント

  1. […] 最適賃金の計算(1)の記事では、式の記述するだけでその解釈がほとんどなされなかったので、ここで復讐する。 […]

  2. […] 最適賃金の計算(1)の続きをやる。 […]