最適賃金の計算(2)

最適賃金の計算(1)の記事では、式の記述するだけであったので、改めてここで復習する。

まず、\( \hat E ( \cdot ) \)について、このテキストでは2つの確率変数を考えている。

一つは最適価格を計算するときに使用した製品需要の程度を予測する確率変数であって、その分布関数は\( A(ξ) \)で表していた。

一方、これとは別に、労働需要の逼迫度を予測する確率変数も同時に考えている。その分布関数は\( B(ξ) \)で表す。

最適賃金を計算するときには、製品の需要予測によって計算した最適価格と、そのときの最適雇用を採用することを前提として、労働需要を予測をもとに計算する。二者の確率分布関数を扱いながら、その予測値は同じ記号\( \hat E(\cdot) \)を使っているが、どの確率分布関数での予測値なのかはその式の意味から汲み取らなければならない。

その式がどのような意味をもっているのかを把握しなければ、なんの確率変数に基づいた予測値なのか見誤ってしまう可能性がある。

計算の式上は、AとかくのかBとかくのかの違いにすぎないが、具体的な計算をするうえでは、どの関数を使うのか見極めが必要である。

さて、改めて最適賃金をもとめる問題を式として表すと、それは、
利潤\( \hat E (p_τ y_τ – wn) \)を最大にする\(w\)のことであるが、ここでのEは確率変数bについての主観的予測値のことである。wが変数であって、wを動かしたときの利潤の変化をしらべ最大となるwを求めるのがここでの目標である。

付録にはこの導き方が載っているものの、実際の計算は読者に任せられている。この章(1章)の最大の計算問題はこれである。

意外に複雑な式になるので、何回かにわけて計算(検証)する。

 

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