最適化価格の計算(例題1)|1点予想

どうも納得がいかないので、再度やり直し。

変数の定義のおさらい。tとτは期を特定するための添え字変数であったが、ここでは(t-τ)期とt期しか取り扱わず、計算するのは専らt期のみであり、いちいち記載したとしても、式が長くなるだけ、間違いを作りこむリスクが増えるなど不利益きわまりないため、ここでは添え字の記号を省略する。ときに指定がなければt期についての変数である。

  • q:(t期の)製品生産量、t-τ期に計画した分しか生産できないので固定定数である。
  • p:(t期の)製品価格、利益が最大になるようにpを求めるのが目的(解きたい問題)。
  • x:(t期の)製品需要、どれだけ製品が売れるかわからない。確率的に考える。ここでは、\(x=a p^{-η}\)であると仮定する。ηは1より大きい定数である。
  • \(\hat E (x)\) :確率変数xの期待値(平均値)。確率変数xの発生確率を表す確率分布関数をF(x)とすると、\(\hat E (x) = \int_{-\infty }^{\infty } x dF(x) \)で計算される。普通の積分の書き方の形式で書き直すと、\( \hat E (x) = \int_{-\infty }^{\infty } x \frac{dF(x)}{dx} dx \)となる。どちらも同じ意味である。ねんのために補足しておくが、\( \frac{dF(x)}{dx}\) (\( \frac{dF}{dx}\)とも書かれる )は、xの関数F(x)をxで微分した関数(F(x)の導関数)のことである。
  • a:確率変数である。製品需要の変動を表現する。aの値が大きければ需要が増していおり、小さければ需要がないことを示す。a=0の場合は製品需要がまったくないことを表す意味となる。0≦aとする。このaは確率変数であるから、期待値があって、それを\(\hat a= \hat E (a)\)で表す。
  • ξ:\(\frac{a}{\hat a} -1\)で定義される確率変数。確率変数aの代わりに用いられる。aの確率分布関数の代わりに、ξの確率分布関数が与えれる。0≦aを前提とするので、\( -1 \le ξ\)で考える。
  • A(ξ):ξの確率分布関数。
  • y:製品販売数。\( \min \{q,x \}\)、qとxの小さい方で定義する。

さて、これら変数の定義ができたところで、pyが最大になるときのpを求めるというのがこのでの目標である。

シンプル例1

ここでは、超シンプルな例として、A(ξ)=0(ξ < 0の時)=1(0 ≦ ξ)と仮定する。つまり、
$$A(ξ) = \left\{ \begin{array}{ll} 0 & (ξ \lt 0) \\ 1 & (0 \le ξ) \end{array} \right.$$
これは、ξ=0で微分できないが、
$${dA(ξ)}= \left\{ \begin{array}{ll} 0 & (ξ \ne 0) \\ 1 & ( ξ=0) \end{array} \right.$$と考える。

確率変数aやξを考えるが、分布関数の定義から、これらの確率変数はそれぞれ、aは\(\hat a\)、ξは0の値しかとらない確率変数となる。

\( \min \{pq,px \}\)が最大となるpを求めるのであるが、グラフを書くことで、pq=pxとなるpを境にpqとpxの大小関係が決定されていることがわかる。すなわち、pq=pxをpについて解くと、\(pq=p a p^{-η}\)、\( p^{-η}=q/a \)、\( p=[q/a]^{^{-1/η}} \)でわかれる。ここでの仮定では、確率変数aは\( \hat a\)しかとりえないから、\( p=[q/ \hat a]^{^{-1/η}} \)の値を境にpqとpxの大小が判定が決定される。それはグラフから\( p \lt [q/ \hat a]^{^{-1/η}} \)のとき、\( \min \{pq,px \}=pq\)、\( p \ge [q/ \hat a]^{^{-1/η}} \)のとき、\( \min \{pq,px \}=px\)となっている。

よって、最適価格\(p^* = [\hat a /q] ^{^{1/η}}\)が求まった。

\(a=\hat a\)を使ったため、分布関数\(A(ξ)\)の出番なしに解が得られた。

この時の\(g^* \)を求めると、\( g^* = \hat E ( a {p^*}^{-η} /q) = \hat E ( a (q/ \hat a )/q )= \hat E( a  / \hat a ) =1\)

 

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