今度は、τ期後の利潤を最適にするために最適雇用\(n^*\)を求める。
例の如く、添字tは省略する。
また、τ期後の製品需要の活発度を予測するための確率分布関数は\(A^τ(ξ)\)で与えられるものとするが、t期の確率分布関数は\(A(ξ)\)は最適雇用\(n^*\)を求めるのに必要がないため、\(A^τ(ξ)\)もここでは単純に\(A(ξ)\)で表す。
最適雇用\(n^*\)を求めるために、労働供給の制約がない場合を考える。すなわち、最適雇用\(h=\min{l,h}\)を前提として最適雇用\(n^*\)をもとめる。この場合、\(n=h\)であるから、最適労働需要\(h^*\)を求めることがこれからの計算課題となる。
まずは、主観的予想値のみに基づいて予想利潤を計算している場合を考える。
この時\(y_τ=q_τ\), \(q_τ= j n ^γ \), \(p_τ=[\hat E(a_τ)/q]^{1/η} \)で、
τ期後の利潤は、
$$ \hat E (p_τ y_τ -w n )= \hat E ([ \frac {\hat E(a_τ)}{q_τ}]^{1/η} y_τ )-w n$$
\( = \hat E ([ \frac {\hat E(a_τ)}{q_τ}]^{1/η} q_τ )-w n \)
\( = \hat E (a_τ)^{1/η} q_τ ^{(η-1)/η} -w n \)
\( = \hat E (a_τ)^{1/η} (j n ^γ) ^{(η-1)/η} -w n \)
で与えられる。
この式をnで微分して0と置く。
\[ \frac{γ(η-1)}{η} \hat E (a_τ)^{1/η} j^{(η-1)/η} n^{γ(η-1)/η-1} – w =0\]
\[ \frac{γ(η-1)}{η} \hat E (a_τ)^{1/η} j^{(η-1)/η} n^{(γ(η-1)-η)/η} = w \]
\[ \left[\frac{γ(η-1)}{η}\right]^η \hat E (a_τ) j^{η-1} n^{γ(η-1)-η} = w^η \]
\[ n^{η-γ(η-1)} = \left[\frac{γ(η-1)}{η}\right]^η \hat E (a_τ) j^{η-1} w^{-η} \]
\[ n^{η-γ(η-1)} = \left[\frac{γ(η-1)}{η}\right]^η j^{η-1} w^{-η} \hat E (a_τ) \]
\[ n = \left\{ \left[ \frac{γ(η-1)}{η}\right]^η j^{η-1} w^{-η} \hat E (a_τ) \right\} ^{\frac{1}{η-γ(η-1)}} \]
これが、労働供給の制約がない場合の\(n^*\)である。
式(A1-4)の修正
(誤)\[ h = \left[ {γ(η-1)}/{η} \right]^η \left\{ j^{η-1} w^{-η} \hat E (a_τ) \right\}^{1/(η-γ(η-1))} \]
(正)\[ h = \left\{ \left[ {γ(η-1)}/{η} \right]^η j^{η-1} w^{-η} \hat E (a_τ) \right\}^{1/(η-γ(η-1))} \]
コメント
[…] 最適労働需要(1) 最適労働需要(2)のところで計算したように、 […]