独占的競争企業の動学理論

交渉市場と定価市場、せり人不在の市場形態

社会主義モデルから資本主義モデルへ ワルラスの市場のモデルは、ワルラスのせり人という超越者の存在が仮定されていた。 このような市場モデルは、証券取引所やそれと同類の取引であって、実際の市場に中央集権的な市場は存在しない。 ワルラスのせり人モ...
独占的競争企業の動学理論

ワルラスの市場せり人

需給法則の理論的な問題点 需給法則は予測した法則であって理論的な裏付けがない。ワルラスの市場で論理的な裏付けをしようとしたが、実はそれは、隠れた形で中央集権的な超越者(ワルラスの市場せり人)を導入して「みえざる手」としたものであった。 ワル...
独占的競争企業の動学理論

価格はどのように決定されるのか

ヴィクセルの考え 価格は、需給法則から決定される。 ヴィクセルは、不均衡累積過程の理論を構築した。 その出発点は、新古典派経済学の需給法則であったが、それは理論的な裏付けがない法則である。 そこで、ヴィクセルが出発点とした需給法則を一歩進め...
最適賃金

最適賃金の計算(6)

なかなか微分で手こずってしまっているので、できたところから公開し、最後に組み合わせて答えを導き出す。 まず、目指すところは、 \  \left( \frac{n}{h} \right)^{γ(η-1)/η}  - \frac{n}{h}  ...
最適賃金

最適賃金の計算(5)

最適賃金の計算(4)の続き \  \left( \frac{n}{h} \right)^{γ(η-1)/η}  - \frac{n}{h}  \right\} \] を計算する。 \( ξ= \frac{b}{ \hat E ( b)}-1...
最適賃金

最適賃金の計算(4)

それでは、いよいよ佳境というか面倒な労働需要の予測分布にもとづく最適賃金を計算してみる。 変数の意味で要所となるものを記載しておく。 \( l \) : t期の労働需要。\( l = w^{ε}/b \)、ただし、\( 0 \lt ε \)...
最適賃金

最適賃金の計算(3)

最適賃金の計算(1)の続きをやる。 予想誤差を考慮しない場合つまり\(\hat E(l)=w^ε/{\hat E(b)}\)で、\( \min\{h, \hat E(l) \} = \hat E(l) \)の場合 利潤 \( = \hat ...
最適賃金

最適賃金の計算(2)

最適賃金の計算(1)の記事では、式の記述するだけであったので、改めてここで復習する。 まず、\( \hat E ( \cdot ) \)について、このテキストでは2つの確率変数を考えている。 一つは最適価格を計算するときに使用した製品需要の...
最適賃金

最適賃金の計算(1)

最適賃金を計算する。最適賃金とは、 $$ \hat E (p_τ y_τ - wn) $$を最大にする\(w\)のことで、\(w^*\)で表す。 まず、労働供給の逼迫度の予想誤差をまったく考慮しない場合で考える。 労働供給関数の予想誤差Bは...
最適労働需要量

最適雇用の計算(2)

予想誤差を考慮した場合の最適雇用を計算する。 \( \hat E(a_τ)\)または\( \hat E(a_τ:δ) \):t期の情報を元に予測した(t+τ)期の予想誤差 \( \hat E(a_τ:δ_τ) \):(t+τ)期の情報を元に...