\(\hat \Omega\)がベルヌーイ試行分布の場合、第0期から第1期にかけての貨幣平均の予想変化率
\(\hat E (Δ\log w_0:z_0)\)
を求める。
第6章への数学付録(b)
不均衡動学の理論(岩井克人)
\(\hat \Omega\)がベルヌーイ試行分布の場合
\(\hat{\Omega}(\cdot)\)が、\(s\)の大きさのジャンプをする確立が\(\pi\)で、\(-s\)の大きさのジャンプをする確立が\(1-\pi\)であるベルヌイ試行分布のとき、\(\hat{\mathrm{E}} { ( \Delta \log \omega_0:z_0)} \)を求める。
ただし
\(0 < s\),
\(θ_- < θ_0 < θ_+ \),
\(0 < π < 1\)である。
\(\hat Ω(\cdot)\)を式で書き直すと、
\[ \Omega(\xi)= \begin{cases}
0 & \mbox{if } \xi < -s \\
1-\pi & \mbox{if } -s \leq \xi < s \\
1 & \mbox{if } s \leq \xi
\end{cases} \]
\[ \frac{d\Omega(\xi)}{d\xi}= \begin{cases} 1-\pi & \mbox{if } \xi=-s \\ \pi & \mbox{if } \xi=s \\ 0 & \mbox{if } \xi \neq -s \mbox{ かつ } \xi \neq s \end{cases} \]
求める値は、
\(\hat ω\)の計算、
\[ \hat ω =\int_{-\infty}^{\infty} z d \hat{Ω}(z) =-s (1-\pi) +s \pi = s(2\pi -1) \]
積分部分は、わかりやすいように積分変数を\(z\)から\(\xi=z-z_0\)に変換しておく。
\[ \int_{θ_-}^{θ_+}(z-θ_0)d \hat{\Omega}(z-z_0) =\int_{θ_- -z_0}^{θ_+ -z_0}(\xi+z_0-θ_0)d \hat{\Omega}(\xi) \]
\[ \hat{\mathrm{E}} { ( Δ \log ω_0:z_0)}
=s(2π -1)+(z_0-θ_0)-\int_{θ_- -z_0}^{θ_+ -z_0}(ξ+z_0-θ_0)d \hat{Ω}(ξ) \]
これ
\(\displaystyle =\hat ω+(z_0-θ_0)-\int_{θ_-}^{θ_+}(z-θ_0) d \hat \Omega(z-z_0)\) |
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