短期および長期における貨幣賃金の予想変化率

第0期から第1期にかけての貨幣平均の予想変化率

\(\hat E (Δ\log w_0:z_0)\)

を求める。

第6章への数学付録(b)

不均衡動学の理論(岩井克人)

\(\hat E (Δ\log w_0:z_0)\) の計算

第0期から第1期にかけての貨幣平均の予想変化率を次のように変換する。

\(\hat E( Δ\log w_0:z_0)\)
\(≡\hat E( Δ(\log w_0^*-z_0):z_0)\)
\(≡\hat ω-\hat E(z_1-z_0:z_0)\)
\(\displaystyle =\hat ω+z_0-\int_{θ_-}^{θ_+}z d \hat \Pi_1(z:z_0)\)

これに、(A6-1)式を代入すると、

\(\displaystyle =\hat ω+z_0-\int_{θ_-}^{θ_+}z d \hat \Omega(z-z_0)-θ_0[\hat \Omega(θ_- -z_0)+1-\hat \Omega(θ_+-z_0)]\)

という式が得られる。

これを整理すると

(A6-3)
\(\displaystyle
=\hat ω+(z_0-θ_0)-\int_{θ_-}^{θ_+}(z-θ_0) d \hat \Omega(z-z_0)\)

一般的には、上の貨幣予想変化率があたえられた主体的不均衡\(z_0\)によってどのような影響をうけるかを確定することはできない。

関連式(再掲)

(A6-1)
\(
\hat \Pi_1(z:z_0)=
\begin{cases} 0 & :z<θ_-\\
\hat\Omega(z-z_0)- \hat \Omega(θ_- -z_0) & :θ_-≦z<θ_0\\
\hat\Omega(z-z_0)+1-\hat \Omega(θ_+ -z_0) & :θ_0≦z<θ_+\\
1 & :z>θ_+
\end{cases}
\)

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