「不均衡動学の理論」にでてくる記号説明

変数

\(θ_0\):賃金調整の<回帰点>

\(θ_-\):賃金調整の<下限点>

\(θ_+\):賃金調整の<上限点>

(5-2)

\(z_t≡\log w_t^* – \log w_t \)

\(w_t^*\) 短期予想利潤を最大化する貨幣賃金

\(w_t^*\)を短期的な最適賃金と呼び、

t期に労働市場で公表している貨幣賃金
\(w_t\)と区別する。

関数

「Δ」記号 差分

\( Δ\log w_{t-1}^* := \log w_t^* – \log w_{t-1}^* \)

賃金の更新

(5-1)(6-1)

\(θ_- ≦θ_0≦θ_+\)

\( θ_- ≦ \log w_t^* – \log w_{t-1} ≦θ_+ の場合\\ w_t=w_{t-1}\)
\( θ_+ < \log w_t^* – \log w_{t-1} の場合\\ w_t=w_t^* -θ_0\)
\( \log w_t^* – \log w_{t-1}<θ_-  の場合\\ w_t=w_t^*-θ_0 \)

t期の期首において、短期的な最適賃金\(w_t^*\)を計算する。

前の期の貨幣賃金\(w_{t-1}\)と比較する。

乖離\(\log w_t^* – \log w_{t-1}\)が下限点\(θ_-\)と上限点\(θ_+\)によってはさまれた<許容範囲>のなかにあれば、いままでの貨幣賃金で「満足」し、貨幣賃金を固定したままにする。

許容範囲からはずれた場合は、「不満」であるので、\(\log w_t\)を\(\log w_t^*-θ_0\) に等しくなるように貨幣賃金を設定する。

主体的不均衡の更新

(5-3)(6-2)

\( θ_- ≦ z_{t-1}+Δ \log w_{t-1}^* ≦θ_+ の場合\\ z_t=z_{t-1}+Δ\log w_{t-1}^*\)
\( θ_+ < z_{t-1}+Δ \log w_{t-1}^*  の場合\\ z_t=θ_0\)
\( z_{t-1}+Δ \log w_{t-1}^* < θ_- の場合\\ z_t=θ_0\)

累積的確率分布

(6-3)

\(\displaystyle \hat Ω(x) ≡ \hat Pr \{ Δ \log w_t^* ≦ x\}\)

短期的最適賃金の予想変化率

(6-4)

\(\displaystyle \hat ω ≡ \int _{-∞}^∞ x \cdot d \hat Ω(x)\)

貨幣賃金の今期からつぎの期までの予想変化率

(6-6)

\(
\hat E(Δ\log w_0:z_0) \\ \displaystyle
= \hat ω +(z_0-θ_0) – \int_{θ_-}^{θ_+}(z-θ_0) d \hat Ω(z-z_0)\)